信託

 

信託

 

 

 

【信託】

 

 信託とは信じて、託すことです。あなたにある程度の財産があって、信頼できる人がいて初めて成立する制度です。

 

 信託するとあなたの財産は、信託された人のものになり、自分のものではなくなってしまうと思っておられる方もいるでしょう。確かに信託するとその財産は、誰のものでもない財産になります。しいて言えば、信託の利益を受ける人のための財産となります。信託の利益を受ける人の財産ではありません。

 

あなたの財産を預かってくれる人を受託者と言います。信じて、託すのですから、大前提として、信頼できる人が必要です。その人に財産を預かってもらうのです。あなた自身は病気とか認知症の恐れがあるとかで、財産の管理に自信がなくても、信頼している受託者(家族の一人)にしてもらうのです。

 

 ただし、後見制度でも後見人が被後見人の財産を着服した事件は後を絶ちません。受託者を選ぶのは慎重にしてください。私が信託に関する仕事をしたからといって、私が責任を取ることはありません。

 

 なお信頼できるけれど、事務処理を行うのは無理がある、あるいは忙しくて事務処理を自分でできないような人を受託者とするなら、信託事務処理代行者を選任する方法もあります。ただし費用は掛かります。

 

このように財産を管理してもらって、得られた利益をもらう人を受益者と言います。あなたが財産を委託して(委託者と言います)且つ受益者になって(これを自益信託といいます)、あなたが生きているうちはその利益を受益者として自分が受け取ることができます。しかしその後は、例えば障害を持っている子供を受益者にしておけば、障害を持った子供が安定した生活を送ることができます。さらにその後、障害を持った子の面倒をみてくれた受託者である自分の子供に財産を残すことができます。

 

自己信託という方法もあります。自分が生きている間は自分が委託者謙受託者となって(自分が自分の財産を他の人のために自分に託す)障害を持っている子のために管理するのです。このようにしておけば、あなたが破産しても、あなたの債権者は信託された財産(もうあなたの財産ではありません)から支払ってもらうことはできません。

 

 不動産を信託すると所有権が不動産を管理する受託者に移ってしまいます。この点に抵抗がある方がいると思います。私自身抵抗がないわけではありません。所有権は移転しますが、同時に信託の登記がされますから、この財産は受益者のための財産であるということがわかります。

 

 後見制度は財産を増やすことは考えていません。現状維持だけを考えております。従いまして、国債を買うこともできません。アパートを経営していて、大修繕をしようにも裁判所は認めてくれません。ましてや建て替えなどできません。

 

 また後見はやめることができません。後見制度の硬直性に気づいて、やめようと思ってもやめれません。後見制度の恩恵を受ける被後見人が亡くならないか、健全な状態に戻るかしないと、やめれません。

 

 まず、信託してください。後見制度を使ってから信託をするのは大変難しいことです。まだ財産管理ができるうちに信託してください。その後、後見制度を利用するということは十分考えられることです。

 

 

 

【自己信託】

 

 あなたが、あなたに財産を託すのです。つまり委託者兼受託者となります。こうすることで、あなたは自分ができる間は、財産の管理ができます。そして自分が出来なくなった時のことを考えて、次の受託者を指定しておきます。こうしておけば、例えば障害者の子供の世話を自分でできる間はすることができ、その後は障害者以外の子供に託すことができます。

 

 

 

【自益信託】

 

 あなたは第三者に財産を託しますが、その利益は自分が受け取るのです。つまり、委託者兼受益者となります。

 

 私自身もそうですが、老後が心配ならば、財産を信託し、受託者に管理してもらい、自分が生きている間は受益者として、信託の利益を自分で得て、自分の死と同時に信託財産を親族に帰属させるのです。

 

 

 

【三者一体型信託】

 

 あなたが財産を委託し、あなたが財産を管理し、あなたが信託財産の利益を得るものです。こんなことが許されるのでしょうか。

 

 受託者と受益者が完全に同一である状態が1年間継続すると、信託は終了してしまいます。受託者と受益者はお互いをけん制し、信託を健全に運営していくために必要な人です。

 

 しかし、受益者を2名とし、受託者以外の人を入れるのです。こうすることで、このような信託でも成立します。自己信託とよく似ていますが、あなたが財産を委託し、管理し、利益を得るのは自分と自分の子供にするのです。こうすることで、障害のある子供の面倒をみることができます。

 

 

 

【料金について】

  

 信託だけで25万円以上いただきます。お会いして、お話を伺わないと見積もりが出せません。見積もりは無料です。不動産の信託をする場合、私の報酬の基本は5万円です。不動産の数がひとつ増えるごとに、1000円増えます。不動産の信託には登録免許税がかかりますし、通信費などの雑費が少しかかります。また公正証書を作成する場合、私の報酬だけでさらに5万円かかります。